• 高濃度放射性廃棄物の話

     エネルギー検証会は、「国民は少なくとも過半は原発に依存しない方向性を共有しているのではないか」というコメントをだしましたが、中長期のエネルギー政策案で 触れられていないことがありますのでまとめてみました。

     原子力発電所から発生する高濃度放射性廃棄物をどう最終的に保管するかという問題は、日本では解決していません。 原子力発電所にある使用済核燃料が満杯になってくれば、中間貯蔵施設を建設という考え方です。 (再利用については、現時点ではさらに難しそうです)

     フィンランドでは、放射性廃棄物を最終保管する施設を地下に建設する方向ですが、保管する期間はおおよそ10万年ということです。 今回のエネルギー政策で 同時に論じるべきことは、すでに保管している放射性廃棄物をどうするのかということとそのコストも考えないといけないということかもしれません。

     一口に10万年といっても、今後1000世紀にわたるもので、10万年前では原生人類(新人)がいた頃で今後10万年先は世界がどうなってるかは誰にもわかりません。 人間が30才で子どもを産むとすると3,300-3,400世代を経る年月となります。 なお、この10万年はフィンランドで天然ウランと同レベルになるであろうと考えている年数であり、いや、100万年という意見もあるようです。 

     この話は生物学的・倫理的な話になりますので、短期的利益を考えざるをいない産業界の方々は議論が足りないように思えます。

  • ベクレルフリーの考え方

     ベクレルフリーの考え方には基準は定まっていませんが、食品への放射性物質 セシウム 0Bq/kgを目指すという考え方です。

    食品には自然放射性物質 カリウム40も含まれており、核種を厳密に測定して1Bq/kg未満であればベクレルフリーと言えるのではと考えられます。 もともと3.11以前では野菜などへセシウム137、ストロンチウム90が0.xxxBq/kg 含まれている測定データがありますので安易にベクレルフリーをうたわない方がいいかと思います。 

     といいますのは、20Bq/kg 限界値測定でもベクレルフリーをうたているお店などがでてきているようです。

  • 新米の検査

      ニュースでご覧になった方々も多いと思いますが、福島産の新米出荷に新兵器「」が使用されスピーディーな測定が行えるようになりました。 ニュースでは100Bq/kgの基準値を設定と報道していましたが、機能的には 5Bq/kgまだ測定できますが3分75秒かかるようです。 

     下記は製造元の情報です。

     出限界 : 5.0Bq/kg以下 (225秒測定)
    測定下限値 : 20Bq/kg以下(5秒測定)・・・基準値 100Bq/kgに対応可
    10Bq/kg以下(15秒測定)・・・基準値 50Bq/kgに対応可

    (空間線量0.5 μSv/h、室温20℃の環境下にて)

    (島津製作所)

  • 食べて応援しよう 拡大 ”大学も”

     「食べて応援しようキャンペーン」では拡大策として、国内の大学や都道府県庁舎内の食堂・売店、医療施設、介護・福祉施設で使ってもらうため 、8/22 依頼の通知が農林水産省より各団体へだされました。 

     アイドルグループがそのキャンペーンに参加していますが、その一部のファンたちはメンバーの内部被ばくを心配しているようですが気がかりですね。

     原発事故が発生しなかったら、ほとんどの国民が賛同し行動したのでしょうが、お子様をお持ちのご家庭では必ずしもそうはいきません。 責任ある大人が各団体で消費するのはいいのかもしれませんが、大学では10代後半、20代前半の若者が通っているわけですから感心はできません。 

     関東や東北の大学では従来より近隣の野菜、肉類を使用していると思いますが、全国的に広げようというのが主旨となります。

     

  • アメリカの日本食品の輸入規制

     アメリカの日本からの輸入規制で、下記 日本で規制がかかっている品目は税関で通関を拒否されています。 基本的に国内には入れないということではっきりしています。

     福島県産は種類が多いのでそれ以外の食品をまとめてみました。 FDA(アメリカ食品医薬局)の英文をそのまま記載していますが、最新は7/25版となっています。  これ以外に 産地・食品によって税関で留置、サンプル検査などがあります。ただし、検査の基準は緩やかので別の機会に掲載いたします。

    Prefecture Foods
    Chiba Shitake mushrooms; 
      Tea leaves; 
      Bamboo shoots; 
      Log-grown shitake mushrooms 
       
    Gunma Tea leaves; 
      Dace; 
      Land locked salmon 
       
    Ibaragi Shitake mushrooms; 
      Tea leaves; 
      Bamboo shoots; 
      Koshiabura (wild tree sprout); 
      Eel; 
      Rockfish; 
      Nibe croaker; 
      Channel catfish (not farm raised); 
      Seabass; 
      Olive flounder; 
      Crucian carp (not farm raised); 
      Boar meat 
       
    Iwate Bamboo shoots; 
      Log-grown shitake mushrooms; 
      Japanese celery; 
      Pteridium aquilinum (bracken fern); 
      Koshiabura (wild tree sprout); 
      Royal fern; 
      Pacific cod; 
      Dace; 
      Wild white spotted char (not farm raised); 
      Beef 

    (FDA Import Arert 99-33 より 他にFukushima,Kanagawa,Miyagi,Tochigiがあります)

  • 今だに厳しい中国の日本食品輸入

     今春 政府の働きかけで少し緩和されるかに見えた中国の日本からの食品輸入規制ですが、特に変化はみられません。 日本製の野菜や果物などは中国で高所得者層に人気があったのですが、緩和の目途はたちません。 

     なお、中国にいる日本人留学生によるとお菓子は中国ではOreoが一番おいしいそうです。 

     【中国の規制】

     対象:食品・飼料

     内容:福島、栃木、群馬、茨城、千葉、宮城、新潟、長野、埼玉、東京以外であること

     その他:10都県以外の食品・飼料は証明書を提出すること

  • パンへの影響は少なそうです

      先日 穀物価格の上昇について掲載いたしましたが、輸入小麦の政府売り渡し価格の平均3%値上げが発表されました。パンや中華麺に使うハード系は横ばいだそうです。一方、うどんやケーキなどお菓子に使用するソフト系は8%の値上げのようです。

     現在 北米を中心に干ばつの影響でとうもろこしと大豆の生産量の大幅減少が見込まれていて、先物価格が上昇し、小麦の価格も上昇していることが背景にあります。 中国など新興国の需要増大で世界的な在庫は増えず、需給関係から価格が下がることはなさそうです。 今後、南米やオーストラリアの種付けが始まりますが、南米産の穀物が大幅増産できないかぎりこの状態は続きそうです。 輸入小麦が値上がりしてお菓子などの値上げが検討されるかもしれません(もしくは量が減らす)が、消費者としては円安にならないよう祈るのみです。  

     3.11以降 子どもたちを守るためには安易に国産食品に手をだせなくなりましたが、小麦は輸入品が約9割、1割が国産です。

    なお、パンに使用する強力粉は基本的に輸入品ですね。 でも、乳化剤を使用しないホームベーカリーで安心・安全をお勧めします。

     

  • 過去最大値

      東京電力が8/21に発表した アイナメへのセシウム汚染は25800Bq/kgと これまでの最大値となりました。 山陰中央新報には、東京電力から提供されたアイナメの写真が掲載されていますのでご覧ください。

    http://www.sanin-chuo.co.jp/newspack/modules/news/article.php?storyid=1169620009

    (山陰中央新報 8/21)

    食物連鎖による汚染の怖さは、放射性物質が希釈されるのではなく濃縮されていくことです。 特に海洋では放射性物質が沈殿しプランクトンへ影響、そのクランプトンをエビや小魚が食べる、また、その小魚を中魚が食べると続いていきます。

     なお、水産庁により継続的な測定がおこなわれていて、アイナメの最大値は3000Bq/kgです (2011年 7月 久之浜沖)

  • 牧草への汚染から

      栃木県矢板市で 繁殖牛から130Bq/kgのセシウムが検出され、その原因は牛が食べていた永年性牧草で その値は1086Bq/kgであったと報じられています。(8/21  下野新聞)     

       前回 指摘していますように、牛へは牧草を食べさせますので、その土壌が汚染されている場合は牧草に汚染が広がっています。セシウム137の場合は、表面から10cmくらいまで、 ストロンチウム90の場合は表面から1mくらいまで浸透しています。

    矢板市の農家の場合 牧草地を耕したそうですので牧草への汚染値は高まったものと考えられます。

  • 穀物価格の上昇

     北米地域の乾燥の影響もあり「とうもろこし」は7/20に史上最高値をつけています。また、大豆も7/20に史上最高値をつけています。 2008年に小麦など穀物価格が上昇してパンや麺類の値上げの話があったことを覚えてらっしゃるでしょうか。

     この価格は穀物の先物取引の価格ですが、実勢価格も上昇して私たちの生活に影響を及ぼします。 特に、とうもろこしや大豆は 飼料として輸入して使用していますが、ドル安円高により輸入価格が急上昇せず救われています。 このデフレの中でも食料品価格の上昇は実需より余ったお金が穀物先物市場にはいる影響も大きいのが特徴のひとつです。

     国内の豚肉、鶏肉、鶏卵にもこの輸入穀物が飼料として多く使用されています。 牛肉では放射性物質 セシウムが検出され、豚肉、鶏肉、鶏卵で検出が少ないのは このような背景があるのかもしれません。